日経平均は下落後切り返す、権利取り・好需給が支援

東京株式市場で日経平均は反発。後場に入り先物に大口の売りが出て 前日比で一時171円安まで下落した後に下げ渋り、プラス圏に浮上した。3月期末を前にした配当権利取りの動きや公的マネーの買い支えへの期待感が支えと なった。繊維や建設株など出遅れ感のあった業種が上昇した一方、ここのところ上げ基調にあった医薬品は下落。業種間での循環物色の傾向がみられた。

前日の米国株式市場では主要3指数が下落となり、外部環境に買い手掛かり材料が乏しいなかで、朝方の東京市場は買い優勢で始まった。ただ昨日に続き23日に付けた昨年来高値1万9778円60銭に迫ると伸び悩み、利益確定売りに押された。

後場に入ると先物主導の荒い展開となり、日経平均は一時1万9500円台前半まで下落。だが「配当権利取り最終日の 26日に向け、下がったところでは高配当銘柄を中心に買われやすい」(内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏)との見方に加え、下値では公的マネーが買い 支えに動くという期待感も継続し、底堅さを示す形となった。

昨日まで大幅高が続いたエーザイ(4523.T: 株価, ニュース, レポート)が前日比で5.43%安。ファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)も下落し指数を押し下げた。上昇基調にあった銘柄が総じて利益確定売りに押された一方で、日本ペイントホールディングス(4612.T: 株価, ニュース, レポート)やリコー(7752.T: 株価, ニュース, レポート)など前日に下げた銘柄や出遅れ業種の一角には押し目買いの動きもみられた。

個別銘柄では、減損処理を発表した三菱地所(8802.T: 株価, ニュース, レポート)、住友商事(8053.T: 株価, ニュース, レポート)がしっかり。来期の業績への不安要因払しょくにつながると市場では受け止めらえた。

半面、ブラジルの関連会社で損失が発生する可能性があると発表した東洋エンジニアリング(6330.T: 株価, ニュース, レポート)が大幅安。期末配当金の実施が困難になる見通しとなり嫌気された。免震ゴムで新たな不適合製品が存在する疑いが発覚したと発表した東洋ゴム工業(5105.T: 株価, ニュース, レポート)は後場に下げに転じた。

東証1部騰落数は、値上がり851銘柄に対し、値下がりが891銘柄、変わらずが134銘柄だった。

 

円安が招く高度人材「空洞化」リスク

今回の日銀政策決定会合は、本来ならば特に大きな注目を集めることもなかったはずだった。しかし先週、現時点での追加緩和は日本経済に逆効果との見方が日銀内で浮上しているとの報道が一部で流れたことによって、特に総裁会見が注目を集めることとなった。

しかし、結果的に黒田総裁は、特に目新しいコメントもせず、従来の見方を繰り返すにとどまり、円相場への影響も限定的だった。

黒田総裁が指摘するように、円安から受ける影響は、経済主体によって異なる。確かに、円安は輸出の増加、企業収益の改善、株価の上昇といったプラス効果があるため、輸出企業や、外貨建て資産や株式を比較的多額に保有する個人にとってはプラスとなる。

一方、輸入コストの上昇などにより非製造業の収益にとってはマイナスとなり、物価上昇による実質所得の押し下げ圧力により、さほど資産を保有していない個人にとってはマイナスとなるだろう。

ちなみに、円安は輸出企業にプラスと指摘したが、輸出企業に勤務する個人にとってプラスかどうかは微妙だ。企業収益が増加して給与が増える分はプラスだが、個人としては実質所得が下がってしまう人の方が多いのではないだろうか。

このように考えると、円安は「日本経済にはプラスだが、日本に居住し、収入を得ている多くの個人にとってはマイナス」と言うこともできるかもしれない。分かりやすい例は、外国人観光客の増加だ。

<円で稼ぐインセンティブの低下>

まさに今、国内の観光地や小売業界は、2月18日に始まった「春節」連休中に期待される中国人観光客増加に備えた対応に忙しいようだ。これは国内の消費を押し上げ、日本経済にとって明らかにプラスと言える。円安で日本の全てが割安になっているため、「海外で収入を得ている個人」にとっては日本での買い物が楽しみだろう。

一方、春節時に限らず、こうした海外からの訪問者による旺盛な需要によって国内物価が上昇する結果となれば、「日本 で収入を得ている個人」にとってはマイナスとなる。細かい話だが、ホテルの予約も取りづらくなったり、観光地も混雑したりする点も、日本に居住する個人に とってはやや迷惑である。

日本で働き、円建ての給与を得ている外国人にとっても円安はマイナスだ。日本で稼いだ円建ての給料の額が、自国通貨対比で大きく目減りしてしまっているからだ。

外国人は、優秀な頭脳・技能を持っているがゆえに日本に居住し、働いているケースも多い。日本は資源が乏しい国だ が、これまでは「強い通貨」を武器に世界の優秀な人材を惹きつけることができた。しかし、急激な円安を受けて、こうした人材は円で収入を得るインセンティ ブを失いかけている。

日本企業で働く中国人の知人は、10年前に来日し、日本で貯金をして中国でマンションを購入しようと考えていたが、貯金をしていくスピードが中国の不動産価格上昇と円安に追いつかないと嘆いていた。アベノミクスの成長戦略では、高度外国人材(研究者・技術者・経営者等)について在留資格の要件を緩和する措置を実施したが、高度外国人材は先行き下落すると予想される通貨を稼ぎにわざわざ来ないかもしれない。

円安になったことにより、確かに日本の企業収益は大幅に増加した。しかし、この事実も上記のような観点から見ると、 少し考えさせられる部分がある。つまり、円安で輸出金額が増加したことにより企業収益が増え、その一部が日本で働く人の所得になっても、結局円安になって いるので、個人の所得はグローバルに見れば目減りしていることになる。

こうなると、同じ日本の輸出企業に働いている個人は、国内で働いて円建ての給与をもらうより、海外拠点に転勤して外貨建ての給与を得ることを望むようになるかもしれない。

円高は「製造業の空洞化」につながったが、前述の外国人の例と合わせると、円安は「人材の空洞化」という結果をもたらす可能性があると言えそうだ。これは長期的に見れば、日本経済にとってもマイナスとなるだろう。

むろん、筆者は円安が悪いとか良いとかを主張しようとしているわけではない。ただ、高度に国際化、多様化した現代社会では自国通貨安の意味も、以前とはかなり異なってきていると考える必要があるのではないか。

筆者が社会人になったばかりのたかだか23年前、韓国や中国、 台湾からの観光客が大挙して押し寄せ、日本の物を買い漁る姿は想像できなかった。新入社員の頃、日本企業と会合を持った際、相手側のメンバーに外国人がい ることはほとんどなかったが、今では日本語を理解する外国人が入っていることなど日常茶飯事だし、逆に英語でミーティングを行うことさえある。

筆者が就職活動をしていた時、海外に留学すると日本企業への就職に不利になるなどと言われたこともあったが、今や日本企業は自ら海外に赴き、日本語と外国語に堪能な学生(日本人かどうかは問わない)を探しに行くようになっている。海外駐在経験者も、今では全く珍しくない。

このように日本自身や、日本を取り巻く環境が大きく変化している中で、自国通貨安がもたらす影響も、かなり複雑に なっているはずである。特に自国語しか理解しない人が多く、かつ人口が減少している日本は、少なくとも海外から優秀な人材を惹きつけておく必要はあるので はないか。その点において自国通貨安はデメリットになると考える。

 

女性が所有する日本の埋蔵“金”は推定1兆8000億円超、約9割が「金の小売価格が上がったとき」が売り時と認識

女性が保有する貴金属ジュエリーの総額は推定約3兆円で、うち金は1兆8000億円超。金の埋蔵年数は10年以上が多く、税込小売価格が現在1gあたり 5000円超を知らない人が64.8%を占める――。

貴金属ジュエリーリサイクルシステム「RE:TANAKA(リ・タナカ)」を展開する田中貴金属工業 が実施した「RE:TANAKA 日本に眠る貴金属に関する意識調査 2015」で、日本全国に埋蔵される貴金属の実態が明らかになった。

調査を行った田 中貴金属工業では「古い金の貴金属ジュエリーを売って新しい貴金属ジュエリーを購入したいと考える女性は35.3%あり、女性の埋蔵“金”のリサイクルに よる経済効果は推定3459億円に達する」と推定している。

調査は、全国の20代~60代の女性500名(各世代100名ずつ)を対象に、2015年1月10日~12日までインターネット調査でサンプルを回収し、結果を集計した。

  「持っているが使用していない貴金属ジュエリー(金、銀、プラチナ)がある」と回答した女性は、全体の82.0%になった。

そこで、使用していないアイテ ムごとに個数を聞き、20歳~69歳の女性人口(3974万6000人)で計算すると、日本全国で使用されずに眠る貴金属ジュエリーの総個数は、推定2億 6685万個になった。

特に、金のジュエリーについては、指輪、ネックレスはともに4000万個、ピアス・イヤリングは4300万組(片方のみを含む)も 使われないままに眠っていることがわかった。

 これら貴金属ジュエリーを、2015年1月23日現在の税込小売価格を基にしたリサイクル 価格(1gあたり金:5383円、銀:78.62円、プラチナ:5322円)で金額換算すると、金の指輪は4364億円、金のネックレスは1兆997億 円、プラチナの指輪は3405億円、プラチナのネックレスは6422億円など、使われていない貴金属ジュエリーの総額は2兆9458億円になった。

中で も、金は合計で1兆8114億円となり、金相場が過去の水準と比較して高値圏にあるため、より埋蔵額が高くなっている。

 そこで、持って いる貴金属ジュエリーのうち「金」について、最長で何年使用していないかを聞いたところ、38.9%が「10年以上」と回答。

特に、60代では53.2% が「10年以上」と回答している。「金」のジュエリーを使用していない理由は、「身につける機会がないから」(53.1%)がトップで、「デザインが古い から」(24.6%)、「片方をなくしたから(ピアス・イヤリング)」(18.5%)などという結果だった。

高価で大事にしているため保管されているもの は一部で、多くは身につける機会がないまま、デザインが古くなるに任せて長期間“埋蔵”されている様子がうかがえた。

一方、貴金属ジュエリーを、その時のリサイクル価格で買取るサービスの認知度(内容まで詳しく知っている)は31.4%にとどまり、実際に利用したことが ある人は13.6%だった。過去1年間で買取りサービスを利用したことがある人に、売却合計金額を聞いたところ、平均で5万2300円だった。特に、50 代女性の平均金額は10万1700円と年代別で最も高い数字になった。

 次に、金の買取りサービスを利用したい意向のある人(全体の 22.0%)に、売却した代金の使用内容を聞いたところ、「新しい貴金属ジュエリーを買う」(35.3%)が最も多かったが、「外食する」 (25.0%)、「生活費の足しにする」(22.1%)、「旅行する」(19.1%)などが続き、「何も買わないで貯金する」(13.2%)以外の 86.8%が何らかの消費を考えていることがわかった。ここから、「金」の貴金属ジュエリーの埋蔵金額1兆8114億円に対し、買取り意向のある 22.0%と、消費を考える割合(86.8%)を掛け合わせると、「金」のジュエリーのリサイクルによって、推定3459億円の新たな消費が生み出される と試算できた。

 また、金の売り時に関する質問に対し、「金の小売価格が上がった時」(89.9%)という回答が、「生活資金が不足して いる時」(10.1%)、「欲しいものがあるとき」(10.1%)などを引き離して圧倒的に多かったものの、2015年1月7日現在で、金の税込小売価格 が1gあたり5000円を超えていることを「知らない」と回答した人が64.8%だった。「よく知っている」との回答は6.6%に過ぎず、金の価格に対し て具体的に知っている人は少なかった。

 さらに、金に関する知識・認知について調べると、「金の小売価格は1年前に比べて上昇している」 ことは58.4%が認知している。ただ、「現在、地球に埋蔵されている金は5万1000トン(オリンピック公式プール約1杯分)だが、その大部分は採掘困 難な場所にある」については76.2%の女性が「知らない」と回答。「金の小売価格は、どんなに変動しても0円になることはない」ということも51.2% が「知らない」と回答した。

 「RE:TANAKA」は、登録店全店に蛍光X線検査装置を導入し、短時間で貴金属の種類(品種)と含有率 (品位)を検査し、鑑定結果の品種・品位に応じて、当日の金・プラチナ相場に連動した全国統一の品種・品位別リサイクル価格での買取りを実施している。登 録店舗数は2015年2月現在、全国37都道府県で72店舗になっている。